※小さい市丸さんが出てくるお話です。
かっこいい市丸さん推奨の方や苦手な方はまわれ右。





小さな隊長さんたち(プロローグ)




三番隊隊長・市丸ギン
彼はある事情で護庭十三隊に入隊した辺りから成長していない。
理由の一つとしては、市丸が非常に悪戯好きだったのが起因している。
まだ当時小さかった市丸は、怖いもの知らずで、悪戯してはダメな人物(特に卯の花辺り)にも平気でしていた。
市丸はまだ幼いから大目に見てくれるものが多かったが、限度というものがあった。





ある年の、ある日、市丸は当時初代局長・十二番隊隊長の浦原喜助のラボを半壊させてしまう事件を起こしたのだ。
当時、上司の藍染が浦原を気にしていたため、十二番隊への出入りが多かったので、市丸はよく技術開発局が作った怪しいものなどを拝借したり、薬のビンに貼ってあるラベルをほかのビンのラベルと変たりして、問題を起こしていた。
その問題は、さほど酷い事件にはならなかったため、お尻ペンペン(笑)されるぐらいの罰ですんだ。
そのため、問題を起こす市丸に、浦原はそのうち大事件を起こされるかもしれないと危機を感じ、大事なものや危険なものは厳重にしまっておくことにしていた。
だが、残念な事に大事件を起こしたその日は、緊急の隊主会が入ったため、急いでいた浦原はまだ実験途中の危険物をそのままラボに置いたままにしておいたのだ。
そこに、悪戯しにやってきた市丸はその危険物を発見する。
浦原が危険物を置いたままにしたのも十分悪いのだが、そんなこと知ったこっちゃない市丸が危険物をいじってしまったのだ。
そして、それが大爆発し、特に浦原のラボが大被害を被ったのだが、それだけでなく、十二番隊舎にも被害が及んだ。
それがまずかった。
自隊舎やほかの隊に迷惑をかけない範囲での実験だけ、という約束の下で、技術開発局の設立を許可されていたからだ。
そのため、上の方から、危険物を作った浦原にまずお咎めがいき、実験のための費用が減額され、ラボを直すどころか、実験できる環境すら危ぶまれたのだ。
大爆発から奇跡的に軽症で済んだ市丸には悪戯が過ぎるという理由に反省文(笑)と自宅謹慎、そして十二番隊の立ち入り禁止が言い渡された。
自宅謹慎は一週間ほどで、仕事嫌いな市丸にとっては「仕事せずにすむわ!」っと言って、自ら喜んで自宅謹慎したという。
そんな市丸への甘いお咎めに、さすがの浦原も頭に来たのだ。
いや、積もりにつもった恨みによってキレタのかもしれない。
そんな、上からの酷い(自業自得の部分もある)お咎めと大事な大事なラボを壊された浦原は「いくら市丸さんだって、我慢の限界です!」といって、半壊したラボに残っていた試作品を市丸の食事に混入。
そう、その試作品の液体?が、体の成長を止める薬だったのだ。
最初は誰もが気付かなかったのだが、ちょうど成長期の市丸の身長が伸びないと本人や周りの者が気づいた時には、すでに時遅し。
浦原は大罪によりソウルソサエティから逃亡していた。
浦原が開発したものや、薬の類はすべて破棄されていて、特効薬は闇の中へ。
次代局長に就任した、涅マユリは「そんなもの私に関係ないネ」っといって、特効薬を作るのに、取り合ってくれない。
だが、実際は、成長を止める薬は浦原が作ったものの中でも特殊で、その薬に対しての特効薬を作れる人物は、浦原だけだということをあとで知ることになる。
奇跡的に浦原が作った薬は成功していて、外見は成長しないけれども、霊圧や剣技、その他もろもろ何も影響はなかった。
そのため、市丸は卍解まで取得し、三番隊隊長の座まで上り詰めた。
そして、市丸はちびっこ隊長として有名になる。





話を戻すと、市丸は過去の十三隊長としてはもっとも小さな(外見だけ)隊長だった。
…なぜ過去形かというと、今期春の新任に市丸より小さな隊長が長らく空席だった十番隊の隊長に就任するからだ。
霊術院では神童と言われ、大事に育ててきた日番谷冬獅朗がようやくその席に就任するのだ。
ちびっこ隊長には前例があるため、さほど非難もなく十番隊長に抜擢された。
それより、市丸なんかと違って、冷静で知的で大人な性格の日番谷なので、周りからは、後輩ができて市丸も少しは落ち着くのではないかと期待していた。
だが悲しいかな、そんな期待を裏切って、大事な日番谷が危ない道にはいってしまうのをこの時誰も知るすべもなかった。








こんな感じで、小さい市丸隊長のお話が書きたかった模様です。
小さい市丸隊長は萌えますよね、萌えますよね。

続きます。

09.2/6〜2/28